- 妊婦は葬式にいってはいけない!
- もし行くならお腹に鏡を外向きにしてつけていくこと!
だれもが迷信と思いながらも、お葬式といえばなんとなく怖いイメージもありますし、気になる人はちゃんと持って行ってたりしますね。
最近では鏡用ポケット付きマタニティ喪服というものまであります。
でも、
- もし鏡を持っていなければ妊婦さんがどうなってしまうというのか?
- この迷信のいわれは一体なんなのか?
- 本気で魔除けをするなら鏡ひとつで大丈夫なのか?
そして最後にわたしの思う「この迷信のホントのところ」もお話しようと思います。
死者、オバケの話といえば・・・?
鏡を持っていないとどうなる!?
もし、この言い伝えどおり鏡を持たずにお葬式にいくとどうなるというのか?
お葬式は亡くなった遺族を弔うための儀式ですよね。
その亡くなった方に連れて行かれるとか悪さをされるという話ではないんです。
お葬式といえば「陰の気」が濃縮されたような場ですから、
その気に周辺にさまよう良からぬ霊たちも集まってくるということ。
こう聞けば「なるほど…」と思えますよね。
そうして集まってきた悪い気に触れてしまうと、
そのせいで流産してしまうぞーとか身体の弱い子になるぞー、というわけです。。。
それがもし本当なら絶対に行ってはいけませんよね。
そのような悪霊から妊婦と赤ちゃんを守るなら、鏡一つではちょっと心許ない気がします。
本気で魔除けを考えるなら八角型がいいとか、
おわん型になった凹面鏡で上下左右が逆に映るものが有効だとか、
ネットで調べているとキリがないくらい情報がでてきてしまいます(汗)
でもちょっと待って
ここでちょっと話の腰をポキっと折りますけど、
お葬式ってことは「仏教」ですよね(神道では神葬祭といいます)
で、鏡を魔除けに使うといえば「風水」です。
神道における鏡は神様の依代(よりしろ)のひとつ、という扱い。
お釈迦様は死後の世界や霊の存在については何も語っていません(「無記」)
ですので、仏教式のお葬式であっても神道式であっても、
鏡、関係なくない!?
という疑問が「迷信」と言われる由縁ではないでしょうか。
というわけで、
最後に私が考える「この迷信のホントのところ」をお話してみたいと思います。
この迷信のホントのところ
「妊婦が葬式に行ってはいけない」
「行くなら鏡を持っておけ」などと言われるようになった理由。
それは、
と思うんです。
お葬式って今では業者さんがすべてやってくれたりしますが、
その昔、自宅で遺族が自分たちで準備しなければいけなかった頃。
それは本当に大変な仕事だったはずです。
そこへ「大好きなおじいちゃんだから」
「小さい頃よく遊んでもらった親戚だから」
と、身重を押して行こうとする妊婦さんがいたんじゃないかと。
で、おそらくは妊婦さんのおじいさんくらいの方が
こういった怖がらせる話をつくったんじゃないかと思ってます。
というのも、こうしたオバケを持ってくる話っていろいろありますけど、
たいていのオバケ話は「子供に言うこときかせるため」とか
「子供が危険に近づくのを防ぐ目的」だったりしますよね。
小さい子が危ないものを触ろうとした時に
「それさわったらあかんよ!イタイイタイなるよ!」
なんていい方しますよね。いわゆるそれなんじゃないかな〜と思うんです。
おじいさん世代にとっては妊婦といえど子供ですからね。
お葬式には親戚とはいえ普段の生活では会わない人がたくさん集まります。
体力的にも心配ですし、精神的にもデリケートになっている妊婦さんにとってはかなりのストレスになるんじゃないかと思います。
でも、
「お葬式に出ない」ってなかなか言いづらいじゃないですか。
そこで「お腹の子に悪い霊が〜」というような話があれば、
妊婦は行かなくていい、というかむしろ来てはいけないということにしておけば、
あまり気を使わず欠席という選択ができますよね。
行かなきゃいけない間柄だったりしても、
早めに切り上げさせてもらうのも言いやすいと思います。
この迷信、いったいだれが言い出したことなのか、ちょっと調べても不明でしたけど、
これ考えた人は天才級のやさしい人だったんだろうな〜と妄想します。
しかも、どうしても行くならお腹に鏡を入れとけば大丈夫、という簡単に安心できる対策法まで用意されているのですから。
お見事です。
というわけで、この「妊婦は葬式にいってはいけない」言い伝え。
鏡を持っていくのもよし、妊婦ですから〜と欠席するのもよし。
妊婦さんは気兼ねなく自分の体調とも相談しながら使い分けていけばいいのではないかと思います。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
関連記事
お葬式・お墓参りのしきたり・マナーまとめ
お葬式やお墓参り、とくに葬儀でのしきたりやマナーで戸惑うことも多いんじゃないでしょうか。しかも宗派によって違うことなども混乱しますね。供養・慰霊についての不思議や疑問、豆知識をまとめてみました。