「 カテゴリー 」と「 ジャンル 」
なんだかよく似たイメージで使われている2つの言葉ですが、
使い所に迷ったり、使われ方に違和感を感じたことありませんか?
ザックリとその2つの言葉の違いは何かと言うと、
- 「 カテゴリー 」の語源はギリシア語で、物事の性質を区分する言葉
- 「 ジャンル 」の語源はフランス語で、芸術表現の分類を示す言葉
ちゃんと調べるまでどっちも英語だと思っていたのはヒミツです(笑)
次にそれぞれの語源をもう少し詳しく見て行きましょう。
使い方でモヤっとしたことのある人はスッキリすると思います^^
「カテゴリー」と「ジャンル」の語源と意味
カテゴリー
独: Kategorie、英: Category、仏: Categorie
「カテゴリー」は上でも書いたようにギリシア語が語源とされていて、
日本語訳は「 範疇 」という漢字があてられています。
世の中の物事の最も一般的な基本概念の基本形式を表す言葉で、
哲学用語と言う方がシックリくるのではないでしょうか。
もとの意味はこのようになんだか大袈裟というか、近寄りがたいような印象も受けてしまう言葉ですが、現在ではこのブログにもある「 カテゴリー 」のように、物事を大きく分けるときに作る「 枠 」といった使い方をされていますね。
「 最も一般的な基本概念の基本形式 」ですので、
誰が見ても同じ分け方になる分け方が「 カテゴリー 」です。
本来の読み方は「 カテゴリ 」と最後を伸ばさないのですが、一般的には(日本では)「 カテゴリ 」ではなく「 カテゴリー 」と最後を伸ばすのが自然な気がします。
参考 http://ja.wikipedia.org/wiki/カテゴリ
カテゴリー
ジャンル
ジャンルはフランス語で genre と書きます。
もともとの使われ方は現代とそんなに違いはありません。
絵画や彫刻作品といった芸術作品を表現方法や技法で「ジャンル分け」されたり、作者が女性だったら「女流作家」というように作家の性質などでジャンル名が作られることもあるんです。
その点は今でも同じで、使う人の主観で自由に使われる言葉なので、同じ作品があっちのジャンルにもこっちのジャンルにも含まれてるよ?という重複がよく起こる曖昧な分け方でもあります。
わたしは音楽のジャンル分けでよく「 これってラップ?レゲエ?ヒップホップ? 」といった具合に違和感を感じるんですが、分ける人の主観だと言われたら、どうしょうもないですね(^_^;)
参考 http://ja.wikipedia.org/wiki/ジャンル
ジャンル
具体的な使い方
カテゴリー
書籍
乗り物
地理
このように、日本語訳で「 範疇 」と訳されるように、感性ではなく認識による区分で使われます。
誰が見てもハッキリと分けられるのがカテゴリーですね。
ジャンル
絵画
映画
音楽
「ジャンル」は主に上記のような芸術作品の区分に使われていますが、カテゴリーとの違いは 分ける人の感性で決められる という点。
絵画に関しては使用する画材や技法でわけられていたり、
印象派・シュールレアリズム・バロック・ロココといった芸術運動で分けられることもあります。
カテゴリとジャンルの違い:まとめ
カテゴリー
- 物事の性質を区分する言葉
- 語源:ギリシャ語:κατηγορια
- 特徴:誰が見てもハッキリと分けられる枠組み
ジャンル
- 芸術表現の分類を示す言葉
- 語源:フランス語:genre
- 特徴:見る人の感性で分けられる曖昧な分け方
カテゴリーとジャンルの違いがスッキリしましたでしょうか。
まだややこしく感じるとしたら、例えば本でいいますと、
「 小説 」というカテゴリーの中で「 推理小説 」や「 歴史小説 」「 ライトノベル 」といったジャンルがありますね。
つまり、
カテゴリーという大きな枠があって、
その中で感性によって分けられるジャンルという小さい枠がある。
こう考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
自分がふと気になって調べはじめたことなのですが、まさか語源の国から違うとは思ってなくて、そこが一番ビックリしました。
それにしても、、
このブログの「 カテゴリー 」もそろそろ見直さないといけないかも…(汗)
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